女性人材の豊富さがビジネスの強みになっている
【白河】女性社員が全体の3割以上という状況は、ビジネスの成長にも好影響を与えていますか?
【江川】他社に比べて女性人材やアート人材が圧倒的に豊富なので、それがお客様からお声がけいただく要因にもなっています。加えて、最近は売り上げなどのファイナンス指標だけでなく、CO2削減や女性比率といったESG(Environment、Social、Governance)の部分を気にされる企業も多い。当社では、そうした「非ファイナンシャル指標」のサポートも始めています。例えば、DXと同時に女性比率向上もお手伝いする、女性社員をDX人材に育てるトレーニングを提供するといったことですね。それを女性比率50%のチームで行っています。
つまり、ファイナンシャル指標、非ファイナンシャル指標の両方、全方位で価値を提供していこうということで、私たちはこの取り組みを「360°バリュー」と呼んでいます。こうしたビジネスはここ一年でかなり増えていますね。一部の機関投資家が、ジェンダー不平等の企業には投資しないと明言したこともあって、多くの企業でESGの重要性が増しています。特に外資系企業は、そこをしっかりやっておかないとすぐ株価が下がってしまいますから。
女性活躍推進には「順番」がある
【白河】コンサル会社へのESG支援の需要が高まっていると。そうすると、御社の成長にとっても顧客企業の成長にとっても、女性活躍はますます重要になりますね。それを実現するには、順番としてはまず働き方改革、それから女性活躍という順でしょうか。
【江川】その通りです。男女平等に働ける環境がなかったら、女性活躍なんてまず無理でしょう。昔の当社のように、男性優位でひたすら体力勝負、左脳勝負でやっていたら、せっかく女性が入ってきてもすぐ辞めてしまいますよ。当社にはそうした時代でも活躍している女性はいましたが、やはり息苦しさを感じながら頑張ってくれていたのではと思います。それが今では伸び伸びと、楽しそうに働いてくれる女性が増えて、非常にうれしく思っています。