姿勢に「ゆらぎ」があると骨がまっすぐ立つ

「力を抜けばいい」と言われても、実際にどうすればいいのか、わかりませんよね。そんなことは、誰も教えてくれないので当然だと思います。

大橋しん『魔法のフレーズをとなえるだけで姿勢がよくなるすごい本』(飛鳥新社)
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もし仮に「体の力を抜こう」と頑張ったとしても、むしろその頑張りによって、筋肉がかたく緊張していくだけでしょう。ここに「力を抜く」ことの難しさがあります。

でも、大丈夫です。安心してください。誰もが簡単に力を抜くことができるイメージをお伝えします。

それは、「ゆらぎ」です。ゆらぎは、常に流れています。「こりかたまる」とは正反対です。

その流れに身を委ねることによって、波間をゆらゆらと漂うかのように、ムダな力がとれていきます。体が緊張から解き放たれて、姿勢が自然によくなっていくわけです。

ところで、みなさんはゆらぎという言葉にどんなイメージを持っていますか? 「心がゆらぐ」は迷いや動揺が生じたことを、「屋台骨がゆらぐ」は中心的な支柱が危うくなっていることを表します。だから、ゆらぎに対して「不安定さ」などネガティブなイメージを持っている方も多いかもしれませんね。

しかし、私はまったくの逆で、ゆらいでいるほうが、安定した強さをもたらしてくれる――そういうイメージを持っています。なぜなら、こと人間の姿勢に関しては、ゆらゆらとしたゆらぎがあるほうが、体がしっかり芯が通ったものになるからです。

いったいどういうことなのか。これをご理解いただくために、バランスボールを頭に思い浮かべてください。あの有名な、エクササイズをするための大きいボールです。

丸いボールに腰を下ろしていると、前後左右にゆらゆらと体が微妙にゆれます。体がゆらいでいるとき、体を緊張させることはできません。筋肉をかためて姿勢を保つことが、できなくなってしまうからです。

すると、その不安定さの中でバランスを取ろうとして、体は無意識のうちに体幹のインナーマッスルをスッと立てて、背骨で姿勢をキープしようとします。姿勢にゆらぎがあると、姿勢を「骨で立てる」ことができるようになるのです。

骨で体を支えることができると、外側の筋肉で体を支える必要がなくなるので、疲れませんし、体も圧迫されません。「美しい」「疲れにくい」「動きやすい」姿勢には必ずゆらぎがあり、骨で立っている「体の芯の強さ」があります。そこに「頑張り」やムダな緊張はないのです。

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