※本稿は、山口真由『東大首席が教える 賢い頭をつくる黄金のルール』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
他人も自分も疑ってかかる
これからの「正解のない」時代を生きるには、わたしたちは自分の頭で考え、努力を続けていかなければなりません。ただ、そんなとき、自分の主張を強固にしてくれる意見や情報ばかりを求める人がいます。
でも、「正解のない」時代だからこそ、本来もっとも避けるべきは、バイアスのある意見や価値観のはず。そこで、現実に起きていることを客観的に把握し、分析し、的確に行動へ変えていくためには、どうしても全体を見渡す力=俯瞰力が必要になります。
「自分に有利な意見だけを拾っていないだろうか」
「多数の意見が正しいと思っていないだろうか」
「自分の考えに疑わしい部分はないだろうか」
「相手はこの問題を、どんな背景から見ているのだろうか」
そんなことを、一つひとつ自分の頭で問い続けることが、いま求められているのです。
このような姿勢を身につけると、みんなが気づかない課題を発見し、関係者全員が受け入れられる方法を導くことができます。みんなが発想できないイノベーティブなアイデアは、いま組織がもっとも欲しているものではないでしょうか。
努力はもちろん大切。でも、その方向性をまちがえると、視野が狭くなることもあります。自分の立場に添うものだけを拾わずに、つねに疑ってみること。他人だけでなく、自分でさえも疑ってかかること。
それが本当の意味での、「考える」ということではないでしょうか。