自分を客観視する方法

自分の考え方や、りどころにしている価値観をいちど疑ってみるには、どうしても自分を「客観視」する必要があります。でもこれは、いうは易く行うは難しですよね。冷静になって自分を疑うのは、けっこう難しいことなのです。

そこで、わたしがよく使う比較的簡単な方法をご紹介しましょう。それが、「自分の感情を自分で叙述する」ことです。

4種類の顔文字のお面をつけた人たち
写真=iStock.com/Rawpixel
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たとえば、ひどい出来事があって心が乱れてしまったとき。そんなときは、「わたしはいまショックで混乱しているみたい」と、自分に語りかけてみるのです。すると、それだけで不思議と心が落ち着き、自分を客観視できる態勢が整っていきます。

また、文字にして紙に書き出すのも効果的。わたしは自分の感情が乱れたとき、どんなことも、まず1日置くようにしています。そして、自分が「おかしい」と感じることを紙に書き出します。

なぜ、いちいち書き出すかというと、実際に言葉にしてはじめて、「自分が不満に思っているだけ」なのか、「本当に相手やまわりがおかしい」のかを冷静に判断できるからです。

感情が揺らぐ「原因」を把握する

じつは、わたしは自分のことを感情的なタイプだと自認しています。まわりからも、「山口さんって気分屋だよね」とけっこういわれます。

ただ、感情のままに振る舞っていては、仕事にも人間関係にも支障が出てしまいます。そこであるとき、「自分はどんなときに不機嫌になるか」を客観的に探ってみました。自分の感情が揺らぐ原因を分析すれば、対策できるにちがいないと考えたわけです。

すると、ご多分に洩れず、「睡眠不足」「仕事が立て込んでいる」という、ふたつのイライラの原因が見つかりました。さらに、イライラしたときにどうなるかという「状態」も分析。そして、「人の話を最後まで聞けなくなり、つい遮ってしまう」という悪いクセに気づいたのです。

ここまでわかれば、なんとか対策できそう。まず、先に書いたように、イライラしたときは「わたしはいま苛立っている」と、自分にいうことで冷静さを取り戻します。

次に、「でもその感情を相手にぶつけるのはフェアではない」と考えるようにしました。簡単にいうと、八つ当たりをしないようにと自分に語りかけるわけです。