大切なのは、なにかを判断したり表現したりするときに、必ず「マイノリティ」の視点を持とうと意識することです。

山口真由『東大首席が教える 賢い頭をつくる黄金のルール』(プレジデント社)
山口真由『東大首席が教える 賢い頭をつくる黄金のルール』(プレジデント社)

「悪気なんてなかったんだ」

それは、マジョリティの傲慢ごうまんに過ぎません。無邪気だったり無神経であったりすることが、マイノリティを深く傷つけていることにもっと自覚的になるべきなのです。

今後、社会はますます多様性を増していくでしょう。そんな時代に、「自分はいつでもマイノリティになり得るのだ」と思える感受性がない人は、多種多様な人とコミュニケーションができず、活躍の場所はどんどんなくなっていきます。

自分のなかの「マイノリティ」に耳を澄ますことは、これからの時代にとても大切な態度になると思います。

「俯瞰力」でバランスの取れた視野と思考を

残念ながら、いまの日本社会には、目立つ個人を徹底的にバッシングする傾向があります。そこにあるのは、「みんなと一緒でいたい」という潜在的な不安感なのかもしれません。

人をおとしめることで溜飲を下げ、自身の心の奥底にある不安感をなぐさめる。そんな風潮が蔓延まんえんしていくと、社会はどんどん狭量な生きづらい場所になっていきます。

だからこそ、良識ある人は、偏った考え方や価値観にとらわれずに、社会や集団から外れた人たちを受け入れることができる「俯瞰力」を持つ必要があります。

努力によって「自己の成長」へと踏み出しながら、同時に、バランスの取れた視野と思考を育む必要があるのです。

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