※本稿は、牧田善二『医者が教える最強の解毒術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。
「なにを食べるか」プラス「どう出すか」が大事
食べ物は、単純に空腹を満たすだけのものではありません。たとえば、ご飯の炭水化物はブドウ糖に、肉や魚のタンパク質はアミノ酸に……といろいろな物質に分解され、小腸から血液中に吸収されます。そして全身に運ばれ、さまざまな用途に使われます。
だから、「好きなものを食べて、お腹がいっぱいになれば満足」というのではダメで、「体の働きのためにどんなものを食べるか」を考えることが重要だと、健康意識の高い人たちは知っています。
しかし、人生100年時代の健康管理には、それだけでは不十分です。体に「なにを入れるか」に加えて、老廃物や毒素を「どう出すか」が必要不可欠な視点です。
そして、老廃物や毒素は、もっぱら尿に排出されます。便ではありません。
排便は「体外」で行われるゴミ捨て
医学用語では、口から肛門までを消化器、または消化管と呼びます。このひと続きの管は「体外」、つまり体の外に属していると捉えられています。驚くなかれ、体内とは異なる「外界」なのです。
食べ物や水や空気や消化液などが通りすぎ、その過程でさまざまな栄養素や必要な水分を吸収し、いらないものはそのまま肛門から排泄されます。
我々の体は素晴らしく完璧にできていて、外界である消化管から必要なものを体内に取り入れ、不要なものや有害なものは絶対に体の中に入らないように設計されています。
たとえば、胃液が強い酸性なのは有害なウイルスや細菌を殺すためです。もし、胃を通ったあとも有害なものが残っていたら、そのまま外界である消化管を通過し、便の中に出してしまうため体内に問題は起きません。
つまり、便の排泄は、あくまで体外で行われている話なのです。大事なのは体内です。その体内で発生する有害物質をどう処理するかです。