患者数が2100万人を超えて糖尿病以上に多くなっている「新・国民病」がある。「慢性腎臓病(CKD)」だ。発症すると様々な病気の死亡率が平均4倍に上昇し、新型コロナをはじめウイルス感染症の悪化リスクも高まる。一度人工透析になれば、一生やめられない。「実は、人間ドックや健康診断では予兆を捉えることができないのです。働き盛り世代は一刻も早く対策が必要」と、20万人の患者を診た牧田善二医師が警鐘を鳴らす──。(第3回/全4回)

※本稿は、牧田善二『医者が教える最強の解毒術』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

日本人の死亡率上昇をもたらす要因

慢性腎臓病になると、「心腎連関」が起きて心血管性の疾患しっかんが増えます。加えて、脳卒中やがんにもかかりやすくなります。とくに、がんの中でも大腸がんの発生率が高くなることがわかっています。

最近、大腸がんで亡くなる人が増え、がんの部位別死亡率で女性は1位、男性も3位になっています。その原因の1つが、慢性腎臓病の増加なのかもしれません。

日本人の死亡原因1位のがんや、2位の心疾患を心配するのはもちろんですが、その裏で慢性腎臓病が大きな影響を及ぼしているということに気づく必要があります。

すなわち、日本人の死亡率上位の疾患の背後には、“裏ボス”として慢性腎臓病があるということです。

苦痛
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悪くなっても自覚症状はない…

本当なら慢性腎臓病で亡くなったかもしれない人が、その前に心筋梗塞しんきんこうそくや脳卒中の発作を起こしたり、がんを併発して亡くなったりしている可能性は十分にあります。逆に言えば、慢性腎臓病を防いでいれば、心筋梗塞や脳卒中、がんにさえも罹らずに長生きできたかもしれないのです。

しかし、慢性腎臓病は地味。それに、少しくらい腎臓が悪くなっていても自覚症状はありません。だから、気づかぬうちに病を進行させ、取り返しがつかないことになってしまうのです。

実は、慢性腎臓病は「年齢を重ねること」それ自体がリスクであり、とくに、50代から急激に発症率が増加します。そして、その慢性腎臓病が万病の元だとすれば、100歳を見据みすえた健康管理で最も重視すべきは腎臓だということがわかるでしょう。