今後、GAFAをはじめとする巨大テクノロジー企業が金融業界を浸食する恐れがある。ベンチャー投資家の山本康正さんは「そうなれば、すべての銀行手数料は無料になり、手続きは24時間365日可能になる。旧態依然とした銀行は淘汰されるだろう」という――。

※本稿は、山本康正『銀行を淘汰する破壊的企業』(SB新書)の一部を再編集したものです。

日本の通帳
写真=iStock.com/takasuu
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GAFAにとって金融サービスは食い扶持ではない

既存の銀行が行っているサービスならびに、同じく既存の証券・保険会社が行っている各種金融サービスは、時間の差はあるでしょうが進化しなければGAFAなどのテクノロジー企業によって淘汰されていきます。

今後、金融の世界には3つのメガトレンドが生まれるでしょう。それぞれ紹介していきます。

1つ目のメガトレンドが「銀行の各種手数料はすべて無料になる」です。なぜ、無料になるのか。大きくは2つの軸があります。

まずはGAFA。彼らは既存のサービスラインがあり、そちらで莫大な利益を得ていますから、金融サービスはあくまでユーザーの囲い込みが目的です。

言い方を変えると、宣伝費、サービスのような感覚です。金融サービスが本業であり、それが食い扶持の銀行にとっては、脅威になるのは当然と言えます。

銀行が手数料を取っていたのは、一昔前は各種業務がそれなりにコストがかかっていたからです。国際送金や為替などはいい例です。

しかし昨今のテクノロジーを使えば、簡単に行えるわけですから、いつまでも手数料ビジネスを行っている時代ではありません。

フィンテックベンチャーが次々と現れている

もう一つはスマートフォンでの事業ローン完結サービスなど、既存の金融サービスにはなかった新たなサービスを提供することで、従来の銀行の収益柱であった手数料に依存することなく、ビジネスを展開していくフィンテックベンチャーが次々と現れている点です。

この流れこそ、現在のトレンドと言えるでしょう。中には市場価値が1000億円以上のユニコーンに成長するベンチャーも少なくありません。

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