子供と“フラットな関係”を作れ!
【岡崎】方向性は示すけど、やり方は親が決めていないんですよね。一発逆転合格する子の親は、子供のすることに肯定的。仲がいい親子が多い。
【西岡】結局、それって親子がお互いを個人として尊重しているってことなんですよね。中学生くらいになると親に上から言われる関係だと、子供は親の言うことは聞かない。親も子供の言うことに耳を貸さないと思うんです。親が子供とフラットな関係で話すことは、大事なのかなと思います。
【岡崎】いわゆる、友達親子みたいなケースが多いですよね。
【西岡】仲がいいのは、親御さんの努力かと思ったらそうでもなくて、「仲がいい状態でありたい」と互いに思っているんですよね。うちは大学受験のときに家で「もうダメだ」ってマイナスなことを言ったら、母親が「うるさい」って。
「私まで気分が悪くなるから、今からマイナスなことを言うたびにあんたの小遣いから100円ずつ減らす」って“マイナス貯金”を提案されて、なんだこれはって(笑)。たいていの親は「そんなマイナスなことを言ったら、受験に響くわよ」とか教育的なことを言いそうですけど、そうじゃなくて「私が嫌だ」って言われたんです。
【岡崎】上からこうしなさいと言われるより、「私が嫌だ」と言われるほうがいいですね。親には親の生活がある。受験に関しても、受かっても落ちてもどっちでもいいと思うことは親しかできないって、『ドラゴン桜』にありましたね。喧嘩をしても、対等なら後から「心配してくれてたんだな」とか「言い方が悪かったな」とか、こちらも反省する。
【西岡】歩み寄りですよね。いつか自分に子供ができても、やっぱり友達のような関係になりたいと思います。
【岡崎】僕もそう思いますね。僕は、子供に東大に行ってほしいとは全然思いません。自分は東大に行ってよかったけど、子供が何に幸せを感じるかは違うから。
【西岡】ただ僕は自分が全然勉強しなかったから、「勉強はしておくと、けっこういいことがあるぜ、マジで」って伝えたいですね(笑)。
西岡 壱誠さん
東京大学経済学部4年。カルぺ・ディエム代表。『東大思考』『東大読書』などのベストセラー著者でもある。
岡崎 拓実さん
東京大学文学部美学芸術学専修卒。現在はフリーランス編集者として旅行雑誌などの編集をしている。