“やれま線”“できま線”を決めるな!

【岡崎】僕はもともとバスケットボールをするためスポーツ推薦で高校に入ったのに、けがをしてしまい2年生で部活をやめてしまった。そのあと目標を失ったことに気が付き、なんのために高校に行っているのかと、軽いうつ状態になってしまいました。周りに何かを言われたわけではないけれど、友人たちの目も気になるし、親に申し訳ないし……。

それで何かないかなって思っていたときに見つけたのが大学受験という目標。予備校のイベントで現役東大生と話す機会があって、東大生って話しづらい人たちを想像していたんですけど、話しやすいし、かっこいいなって思ったのがはじまりです。

【西岡】僕の場合は、高校の先生の言葉がきっかけでした。中高生活、何をやってもうまくいかず、いじめられっ子で、何とかしなきゃいけないのはわかっているけれど、ゲームが楽しいなって……。

学校で頭をけがして病院に運ばれた帰り道に、付き添ってくれた先生が「おまえは中途半端なやつだな」って。「人間は自分で線引きをする。それは“なれま線”“できま線”なんだ。でもその線は幻想で、おまえはその線を越えてどこまででも行けると思うよ」って言ってくれたんです。

そのときに初めて、高い目標を立ててやってみるかって思った。それで東大を目指すことにしました。その後、2度落ちて、やめようかなと思ったけれども、やめなかったのは、自分が線の内側にまだ居続けるのは嫌だなと思ったから。

【岡崎】僕らが頑張れたのは、そばに自分を信じてくれる人がいたのが大きいです。僕の場合、子供の頃から親がとにかく褒めてくれた。「スポーツ選手になりたい」と言ったとき、否定せずに「いいね!」って言ってくれる。

僕は目標がないと何もできない人間なんですけど、目標が見つかれば、頑張れる。それは、やっぱり親が褒めてくれて、自信を持たせてくれたからだろうと思います。東大を目指すって言ったときも「行けるはずがない」とは言われなかった。

©︎Norifusa Mita/コルク