栄養を体外に出してしまうカフェイン

マグネシウムの敵は、カフェインです。カフェインには、せっかくとったマグネシウムを体の外に出してしまう作用があるからです。カフェインは、マグネシウムの他にも、鉄分やカルシウムも体の外に出してしまいます。カフェインをたくさん飲むことは、栄養不足の原因にもなります。「カフェインが多く含まれる飲み物は、体によくない」ということを聞いたことがある人もいるかもしれませんが、その理由がこれです。

カフェインが多いコーヒーを飲んだ人と、カフェインの少ないコーヒーを飲んだ人の尿を比べてみたら、カフェインが多いほうを飲んだ人は、30分後のマグネシウムの排泄量が多かったというデータがあります。

まず覚えておいてほしいのが、食事中に飲むとより栄養が体の外に出ていきやすくなること。だから、カフェインの入った飲み物は、食後に飲むようにするといいでしょう。ちなみに、飲み物の中で、カフェインの量が群を抜いて多いのがコーヒーです。大体1杯あたり150mgです。次が紅茶の30mgと、ぐんと少なくなります。緑茶、ウーロン茶、ほうじ茶は20mg、玄米茶は10mg、麦茶はゼロです。

コーヒー以外はよほどがぶ飲みしないかぎり、それほど気にする必要はありません。

ただ、紅茶と緑茶とウーロン茶は、タンニンが多く、これもマグネシウムやカルシウム、鉄分が体に吸収されるのを邪魔するので、食事中は避けましょう。おすすめの飲み物は次の項目にまとめました。

カフェインの量は、コーヒーの種類によって少し違ってきます。缶コーヒーは少なくて、カフェのコーヒーは多いなどの傾向はなく、店や種類によって実に様々でわかりにくいのですが、だいたい「多い」ことは変わりありません。1日あたりのカフェインの量は、300mgまでがいいと思います。ざっくりと、だいたいどのコーヒーでも2杯程度になります。

カフェでヴィンテージの木製テーブルでホット コーヒー
写真=iStock.com/Farknot_Architect
※写真はイメージです

コーヒーを飲む量は「自分へのご褒美」くらいにしておくのが理想です。ただし、日本人の4人に1人が、カフェインをとると不安感を感じやすく、情緒不安定になりやすい遺伝子の持ち主ですので、PMSのメンタル不調型の人や、PMDDの人はより控えるのがよいかもしれません。

それから、エナジードリンクや美容ドリンク、薬にもカフェインが含まれています。コーヒーを控えても、エナジードリンクを飲んでいたら意味がないので気をつけましょう。

しかもエナジードリンクは、砂糖や添加物が多く含まれています。添加物についても後程詳しく説明しますが、できるだけ避けたいものです。

コーヒーを多く飲む人ほど、卵子の数が少ない

飲み物でいちばんのおすすめは何でしょうか?

細川モモ『生理で知っておくべきこと』(日経BP)
細川モモ『生理で知っておくべきこと』(日経BP)

さきほどもいいましたが、玄米茶はカフェインの量が少なく、タンニンもほぼ含まれていないのでおすすめです。また、麦茶はカフェインゼロ。こちらもタンニンもほぼ入っていません。だから病院での食事には、水のほかに玄米茶や麦茶を出すところが多いですね。

ほかにも、ほうじ茶、ルイボスティー、とうもろこしのひげ茶、ハーブティーもいいでしょう。

栄養を排出しない飲み物は以上ですが、さらに飲み物で栄養をチャージすることもできます。

いいのは、やはりマグネシウムやたんぱく質を含んでいるものです。豆乳や甘酒がいいでしょう。特に生理にいいのは、血流をよくする、ビタミンEが多いアーモンドミルクや鉄分が多いココア(少量のカフェインが含まれます)が栄養を補ってくれます。このあたりは、ストックしておいて気軽に作業しながら「栄養チャージ」などするといいでしょう。

また、コーヒーについては不妊症の日本女性を対象とした研究(※)で、飲む量が多い人ほど卵子の残り数が少ないことが報告されています。

※出所:上澤悦子、中山美由紀、川内博人,日本人女性のAMHレべルと生活習慣、母娘の世代間妊孕性の関連,金原出版 産婦人科の実際, VOL.64 (9),1197-1204, 2015.

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