わが子の成績と食事の習慣には相関関係があるのか。『成功する子は食べ物が9割 最強レシピ』などの著書がある予防医療コンサルタント・細川モモさんは「朝ごはんは、洋食より和食のほうが食物繊維を摂りやすく、血糖値の上昇を抑えてくれます。また焼きジャケには脳の神経伝達物質の働きをよくする物質が、大豆や卵には記憶に関係するレシチンが含まれます」という。わが子の栄養不足を解消するための、朝食、お弁当、おやつを作る際のアドバイスをしよう――。

※本稿は、『プレジデントFamily2021年夏号』の一部を再編集したものです。

東京大学
写真=iStock.com/ranmaru_
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一見、健康に見えても“栄養不足”の子供が少なくない

日本の子供に“隠れ栄養不足”が多いのではないかと指摘するのは予防医療コンサルタントの細川モモさんだ。

「カロリーは足りていても、タンパク質や、ビタミン・ミネラルといった栄養をとれていないことが多いのです。日本の子は肥満とやせに二極化している傾向があり、どちらも栄養素が偏っていたり不足したりしていることが原因の一つだと考えられます」(細川さん、以下同)

栄養不足になると、体の成長を妨げるほか、学力やスポーツのパフォーマンスにも影響すると細川さんは力説する。

「小学校中学年以降の子供たちは、成長に膨大なエネルギーを使っています。スポーツや塾の勉強、習い事を頑張っている場合は、さらにエネルギーを消費します。成長に使うはずのエネルギーを勉強やスポーツに充てているようでは、その子が本来持っている能力を発揮することはできないわけです。だから、子供が必要とするカロリーや栄養は、体重あたりに換算すると大人の倍以上だと思ってください」

子供が最も不足しがちな栄養素に鉄分がある。鉄分不足で貧血が続けば、疲れやすいうえに疲れがとれにくい。スポーツなら動体視力や持久力が低下するという科学的根拠もあり、貧血がなくても鉄分不足は子供の体に影響を与える。

長時間勉強しても成績が上がらないという場合は、努力不足ではなく必要な栄養が足りていないことが原因、という可能性も大いにあるのだ。

『プレジデントFamily2021年夏号』(プレジデント社)
『プレジデントFamily2021年夏号』(プレジデント社)

「頑張りたいのに頑張れない、頑張っても結果が出ないとなれば、子供もフラストレーションがたまります。そうならないためにも、食生活で支えることが、親の最重要ミッションだと思ってください」

特に小学校高学年から思春期は注意してほしいと細川さんはくぎを刺す。

「女の子は9歳、男の子は11歳から始まる成長スパートは人生で最も鉄やカルシウムを必要とする時期。毎日の食事でどんどん補給していかなければ、どの子も栄養不足になる恐れがあります」

そこで、栄養不足にならないための三つの食事のコツをお伝えしよう。

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