※本稿は、『プレジデントFamily2021年夏号』の一部を再編集したものです。
一見、健康に見えても“栄養不足”の子供が少なくない
日本の子供に“隠れ栄養不足”が多いのではないかと指摘するのは予防医療コンサルタントの細川モモさんだ。
「カロリーは足りていても、タンパク質や、ビタミン・ミネラルといった栄養をとれていないことが多いのです。日本の子は肥満とやせに二極化している傾向があり、どちらも栄養素が偏っていたり不足したりしていることが原因の一つだと考えられます」(細川さん、以下同)
栄養不足になると、体の成長を妨げるほか、学力やスポーツのパフォーマンスにも影響すると細川さんは力説する。
「小学校中学年以降の子供たちは、成長に膨大なエネルギーを使っています。スポーツや塾の勉強、習い事を頑張っている場合は、さらにエネルギーを消費します。成長に使うはずのエネルギーを勉強やスポーツに充てているようでは、その子が本来持っている能力を発揮することはできないわけです。だから、子供が必要とするカロリーや栄養は、体重あたりに換算すると大人の倍以上だと思ってください」
子供が最も不足しがちな栄養素に鉄分がある。鉄分不足で貧血が続けば、疲れやすいうえに疲れがとれにくい。スポーツなら動体視力や持久力が低下するという科学的根拠もあり、貧血がなくても鉄分不足は子供の体に影響を与える。
長時間勉強しても成績が上がらないという場合は、努力不足ではなく必要な栄養が足りていないことが原因、という可能性も大いにあるのだ。
「頑張りたいのに頑張れない、頑張っても結果が出ないとなれば、子供もフラストレーションがたまります。そうならないためにも、食生活で支えることが、親の最重要ミッションだと思ってください」
特に小学校高学年から思春期は注意してほしいと細川さんはくぎを刺す。
「女の子は9歳、男の子は11歳から始まる成長スパートは人生で最も鉄やカルシウムを必要とする時期。毎日の食事でどんどん補給していかなければ、どの子も栄養不足になる恐れがあります」
そこで、栄養不足にならないための三つの食事のコツをお伝えしよう。
現在発売中の『プレジデントFamily 2021夏号』では、本稿のほか、「隣でアイロン、一緒に公文……今日からマネしよう!『自分から机に向かう』ようになった技あり母の工夫」、「低学力、不登校でも『やる気』が湧いた理由 リアル『ドラゴン桜』君が分析 一発逆転した子はどう育ったのか」などを掲載している。ぜひ、手にとってご覧下さい。