「眠れない」と悩む人が普段から心がけたい3ポイント

さて、短期間の不眠であれば気にしなくていいが、週半分以上の不眠があり、それが3カ月以上続く場合は「不眠症」に陥っている可能性がある。かかりつけ医に相談しよう。

医療機関で処方される睡眠薬は4つ――「ベンゾジアゼピン系」「非ベンゾジアゼピン系」「メラトニン受容体作動薬」「オレキシン受容体拮抗薬」――があるが、そのうちベンゾジア系・非ベンゾジア系は依存性があり、長期間服用するのは望ましくないことを知っておきたい。よく眠れるのが“いい薬”ではないのだ。

要注意!「睡眠薬」と「睡眠改善薬」は別物

「メラトニン受容体作動薬」「オレキシン受容体拮抗薬」などの依存性が少ない、新しいタイプの薬を使ったり、薬の減量・卒業を視野に入れて治療を勧めてくれるのが心ある医師だ。あなた自身も将来的に睡眠薬を飲まずに眠れることを目標にしよう。

眠れないと悩むなら、普段の生活習慣で心がけたい点が3つある。

1つめは、「寝る場所」の認識だ。櫻井教授は15分眠れなかったら居間に戻る(布団から離れる)ことを勧める。

「苦労なく眠れる人は気にする必要はありません。でも眠れなくて悩んでいるなら、寝室で“寝れない体験”を繰り返さないこと。眠くてしょうがなくなるまで寝室にはいかない。寝つけないなら一旦寝室を離れて、居間で好きなことをし、また眠くなったら寝室に戻る。それを繰り返せば眠気がたまり、必ず眠れます。“寝室で眠れた”という成功体験を積むことが大切です」

「寝酒」はNGだが、「軽い晩酌」ならOK

2つめは、「朝起きる時間」を決め、毎日それを守ること。

「たとえ寝つきが悪い日があっても、多少寝不足でも、同じ時間に朝の光を浴び、食事を取ることで体内時計のリズムが正確に刻め、夜に眠くなります」(谷口医師)

3つめは、「寝酒」を避ける。

「アルコールを飲むと寝つきはよくなりますが、睡眠薬代わりに飲んでいると依存性が高くなって、飲む量が増えます。寝酒でなく晩酌ならOK。できれば夕食とともに20時ごろまでにお酒を終え、4時間くらい空けてから眠るといいですね」(三島教授)

最後に、年とともに人は多くの睡眠時間を必要としなくなるが、現役世代で急に不眠症状が出てきた場合、背景に「うつ」が隠れていることもある。また日中にしっかり起きていられないようなときは、過眠症や睡眠時無呼吸症候群などの疾患の可能性、そのほか、高血圧や心疾患、逆流性食道炎、糖尿病などの生活習慣病も不眠に影響することを知っておきたい。

※プレジデント誌はエスエス製薬に「ドリエル」の認知症リスクについて電話で問い合わせたが、「回答までに時間を要するため、今回の質問については回答を控えさせていただきます」と答えるだけだった。

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