初音ミクの会社はなぜ「音の商社」を称するのか

「電子の歌姫」初音ミクが2007年8月に誕生してから、17年の歳月が経過した。この間、初音ミクを中心とした「ボカロブーム」の盛り上がりは、とどまるところを知らない。

伊藤博之氏
撮影=本田 匡
伊藤博之(Hiroyuki Itoh)
クリプトン・フューチャー・メディア代表取締役。北海学園大学経済学部卒業。北海道大学工学部職員を経て、1995年7月にクリプトン・フューチャー・メディアを創業。「初音ミク」「鏡音リン・レン」など数々のヒット商品を生み出した。2013年、藍綬褒章を受章。

初音ミクをこの世に送り出し、「ボカロブーム」の火付け役となったのは、1995年創業のクリプトン・フューチャー・メディア(以下、クリプトン)。創業者の伊藤博之代表取締役は、同社を「音の商社」と称する。