結婚したくても、子どもを産みたくてもお金がない

しかし、未婚者に結婚の意思を確認すると、同調査によれば「結婚をするつもりはない」と回答する人の比率はわずかに上昇しているだけで、「いずれ結婚するつもり」と回答している人がほとんどです。

未婚者の結婚意思の推移
出所=『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ』(あさ出版)より

それでは、なぜ結婚する意志はあっても未婚の人が増えたり、晩婚化が進んだりするのでしょうか?

結婚の壁となっているのは圧倒的に金銭面の問題です。年収別の既婚率を見ると、年収が低い人ほど結婚をしていません。その一方で年収が低いとされる非正規雇用比率が男性で上昇しています。

日本では平均年収が下がり、非正規雇用が増えていくという非常におかしな状態が何年も続いており、その結果、結婚しない、子どもを産まないという判断が一般的になりつつあります。

男性の非正規雇用比率、男女の年収別既婚率
出所=『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ』(あさ出版)より

日本で子ども1人を育て上げるのは大変?

私の知人にも非正規雇用の人はいます。その知人から聞いた話でショックだったことは、何年も付き合っている彼女と結婚をしたいが、なかなかプロポーズができないという話でした。

詳しくその理由を聞いてみると、やはり非正規雇用は不安定な立場なので、相手の両親が結婚を反対しそうだということが一つ。そして、彼女が結婚をしたら子どもが欲しいといっているものの、いまの自分の年収では2人で暮らしていくだけでも精一杯だから、ということでした。

では実際に子育てにはどれぐらいお金がかかるのでしょう?

仮に子どもが幼稚園、小学校、中学校、高校、大学と全て公立に通った場合、教育費は合計でいくらかかるのか、皆さんはご存知でしょうか。

ちなみに私は小学校と中学校は公立でしたが、内申点が低すぎて県立高校は受からず、高校から私立へ通いました。2020年に「高等学校等就学支援金制度」が拡充されたことで、現在は公立・私立問わず高校生までは学費がほとんどかからなくなりましたが、当時はこのような制度もなく、私立高校の学費が非常に高かったことを考えると、金銭的な面で親不孝だったかもしれません。