子どものことを考えれば考えるほど少子化が進む

これまで見てきたように、現実の数字に目を向けると、誰もが「しっかりと子どもを育て上げることができるのか?」と、結婚する前から不安になってしまうのも無理のないことだと思います。

まして職が安定していない非正規雇用であったりすると、先の私の知人のようにその不安はさらに大きくなるはずです。

真面目に子どものことを考えれば考えるほど、結果として少子化が進んでしまうのは非常に残念なことですし、国としても非常によくない事態です。

本当に必要な金融教育とは?

では、何をすればこのような流れを変えることができるのでしょうか? それにはまず一人ひとりがお金に関する知識や教養を深めることが大事だと私は思っています。

森永康平『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ』(あさ出版)
森永康平『誰も教えてくれないお金と経済のしくみ』(あさ出版)

そうすることで、自分の身の回りの状況や日本の経済状況、政府の政策の意味などが段々と理解できるようになってきます。

経済や政治に興味を持つことができれば、少しでも行動をしたり発信したりするようにもなるでしょう。そうした波が、少しずつ積み重なっていくことで大きなうねりを起こし、世の中の流れを変えることにつながると私は考えています。

2022年4月から日本でもやっと(高校の家庭科において)金融教育が始まります。ただ、日本で「金融教育」というと、イコール投資になりがちです。

金融教育には節約や詐欺から身を守る方法なども含まれますし、会計や経済の知識を身につけることも含まれなければならない。またそうでないと本当の知識や教養は身につかない、私はそう考えています。

日本で行われる金融教育を受けた多くの人が、身近な「お金」から「社会の問題」といった国家レベルのことまで深く考え、行動できるようになることを心から願っています。

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