アメリカが日本と韓国に関係の改善を呼びかけた格好
共同声明は「2国間の結びつきと3カ国の協力の重要性を強調した」とも指摘している。2国間の結び付きとは日本と韓国の関係のことで、アメリカが日本と韓国に関係の改善を呼びかけた格好である。
国家安全保障担当大統領補佐官のサリバン氏は、日本に対する防衛義務を定めた日米安全保障条約5条を尖閣諸島(沖縄県)に適用することを前提にして、日本と韓国に対して同盟国として強く援助してく方針も明らかにしている。
北村氏とサリバン氏、徐氏の3人は新型コロナ対策や気候変動問題、ミャンマー国軍による市民のデモへの弾圧についても意見を交わした。北村氏とサリバン氏、北村氏と徐氏とそれぞれ個別の会談も行った。共同声明には北朝鮮による日本人拉致問題を解決するための3カ国の協力も盛り込まれた。
「文在寅政権は旗幟鮮明にせよ」と産経社説
「日米韓の連携の鍵を握るのは韓国」と前述したが、4月6日付の産経新聞の社説(主張)は4月3日に行われた韓国と中国の外相会談を取り上げ、「文政権は旗幟鮮明にせよ」(見出し)と訴えている。
産経社説は「しかも、この会談と同時期に米国では日米韓3カ国の安全保障担当高官の協議が行われていた。文政権は、米中間でバランスを取る独自の外交をしたいのだろう」と指摘した後、こう書いている。
「ただ、バイデン米大統領は世界の現状を『民主主義勢力と専制主義勢力の戦いだ』と表現し、同盟国である民主主義国家と結束して専制主義の代表である中国と対峙する姿勢を明確にしている」
「韓国が民主主義国だというなら選択の余地はない。いいかげん、旗幟を鮮明にしてもらいたい。韓国は、自国の安全保障も米国に依拠している。バランス外交など幻想にすぎないと認識すべきだ」
沙鴎一歩は「バランス外交は幻想だ」とまでは批判しないが、日米韓3カ国の1国として韓国には旗幟を鮮明にする義務があると思う。