どうすれば勉強を継続できるか?

外国語に限らず、勉強一般について言えることだが、継続が必要である。外国語については、とくに継続が必要だ。少しの時間でもいいから、勉強を続けよう。

「どうすれば勉強を継続できるか」は、勉強法で最も重要なことだ。小手先の方法論でなく、継続するための方法論こそ、最も重要なノウハウである。

ところが、この最も重要なことを学校では教えてくれない。不思議なことだ。そして、お手軽勉強法が流行っている。すでに述べたように、これで身につくはずがない。英語の勉強では、とくにそうだ。

これについて重要なのは、「英語は味方だ」と考えることだ。これは、「敵味方理論」と呼んで、私が長年信奉している考えだ。仕事の進め方について、重要な意味を持つ「理論」だと思う。

人間は、新しいものに対しては本能的に警戒心を持つ。そして「敵」だと考えて身構える(人間だけでなく、動物が一般的にそうだ)。警戒心を持ち、「敵」だと考えると、それに対して反感を持ち、自分から進んで近づくことはない。したがって、ますます離れていくことになる。

逆に、何かのきっかけで、それが自分にとって利益をもたらしてくれるということが分かると、それを活用し、仕事の能率が上がり、さらに使っていく、という好循環が起きる。

つまり、力強い味方になるわけだ。

英語「敵味方理論」で好循環を

考え方を「敵」から「味方」に転換しただけで、このような大きな変化が起きるのだ。英語は可能性を開いてくれるという意味で、強力な味方である。そうした体験を一度でもすれば、英語を勉強する態度が変わるだろう。

野口悠紀雄『「超」英語独学法』(NHK出版新書)
野口悠紀雄『「超」英語独学法』(NHK出版新書)

英語を憎むべき対象、闘うべき対象と考えていては、勉強は苦行になってしまう。そして、能率は落ちる。そのため試験の成績が落ちれば、ますます英語を嫌いになる。そうした悪循環に落ち込んではならない。

実は、勉強の最も強いモチベーションは、好奇心である。面白いから勉強するのだ。知識が増えれば好奇心は増す。

最も重要なのは、「面白いから続ける」ということだ。「辛いけど続ける」というのでは、勉強は続かない。興味を持って長い訓練を続けることが、英語の勉強においては大変重要なことだ。そして、外国語の勉強は、もともと面白いものなのである。

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