「こうあるべし」という思いの危険性
どうしても何か成し遂げるためには、意識が「あっちのほうへ向かおう」「これを成し遂げよう」と方向を指し示さねばなりません。
しかし全く無意識の意見を聞かないで、「こうあるべし」とだけ言っていても叶うことではありません。また「こうあるべし」という思いの強すぎる人は、自分の無意識だけではなく、それを他人にも押しつける傾向があります。
よく親が子供に「こうしなさい」「ああしなさい」と言っていて、子供の様子を本当に見ていたらそれは無理だとわかるのに、させ続けて、子供の成長を止めてしまっている場面を見ます。
また会社の上司が部下に、部下の状況や体調を無視した命令を出し続けて、結局チームワークが上手くいかなくなって、仕事の効率が上がらない、ということもあります。
トップアスリートは、いくらメダルを取るために全速力で走ろうと決めても、部下である自分の体がそう簡単には言うことを聞いてくれない、と身に染みてわかっている人たちです。だからムチャなことは言わないで、対話を重ねて、無意識を整えていくのです。