働かないで実家に居座る父の妹との確執

藤原さんの悩みのタネは尽きなかった。幼い息子にはまだまだ手がかかる。その上、いい年して女性に入れあげ貢ぐ父親……さらに今度はお金がらみのトラブルが持ち上がったのだ。

父方の祖父母の家は、祖父が15年前に71歳で、祖母は10年前に78歳で亡くなってから、父親の名義に変更し、固定資産税や維持費は父親が払ってきた。

それはいいのだが、問題は祖父母健在の頃から現在に至るまで、家にはほぼずっと無職の父の従妹(50歳)が暮らしていること。祖父母の家は築60年を超えており、シロアリ被害もある。藤原さんは解体しようかと考えたが、解体費用が500万円ほどかかることがわかり、従妹にこう連絡した。

「父が認知症になったので、引っ越すならこちらで解体を行います。もし、住み続けるなら、2020年からは維持費(税金・保険代・修繕費)はそちらで払ってください」

藤原さんは打ち明ける。

「父の従妹、父が退職後も、何か実家のことで不具合があると、私には『ちゃんと返すから』と言っておきながら、裏では父に修理代を請求し、一向に返金がありません。近頃は、お金のことで父の病気を利用したような怪しいやり取りが見つかっているのですが、父の従妹は、私の話には全く耳を貸さないため、困り果てていました」

弁護士を介し、家に関する契約書を作成して送ったが、2020年6月末の期限を過ぎても音沙汰なしのため、いよいよ弁護士が直接話をすることになる。

日差しの中、マスクを着用して歩く女性
写真=iStock.com/AH86
※写真はイメージです

「2019年には、遺言を作成するための打ち合わせに父と同席しましたが、2020年に入ってからは父はもう、自分で決めた遺言の内容さえ覚えておらず、見かねた弁護士さんが従妹との間に入ってくれました。以前父は、『兄たる自分が従妹にガツンと言って解決する!』と言っていましたが、到底無理なことが弁護士さんにも伝わったようです」

しかし弁護士費用もバカにならない。裁判になれば3桁を超える可能性もあると聞き、藤原さんは早い解決を願うばかりだ。

2020年9月、激しい咳が出始め、なかなか治らない

2020年8月、藤原さんは介護と子育て疲れとストレスのせいか、ひどいめまいのため心療内科への通院を開始。安定剤を処方された。

その後、胃腸の不調を感じ、内科を受診すると、逆流性食道炎と診断。逆流性食道炎は2019年の秋にも診断されており、治ったと思っていたが再発した。「念のため精密検査を受けてほしい」と医師から言われ、胃カメラをすることになった。

9月になると、激しい咳が出始め、なかなか治らない。病院を受診すると肺炎と診断され、PCR検査を受けることになったが、結果は陰性。息子と父親も咳をしていたが、2人は風邪だった。

そして10月。少し良くなるも、再び咳がひどくなる。特に朝方は、立て続けに激しい咳が出て体力を奪い、地獄のように苦しい。再び病院を受診し、念のためPCR検査を受けるも、やはり陰性。

診察の結果、百日咳とダニやハウスダストによるアレルギー症状の併発とのことだった。

藤原さんは、自宅療養を余儀なくされるが、その間、息子は風邪、ものもらい、百日咳と次々に病気にかかり、おまけにイヤイヤ期。夫は仕事が大変なときで頼れる状況ではなく、父親は「ママじゃないとダメみたい」とすぐに諦めてしまう。