円安進行でビットコイン価格続騰の可能性

ビットコインの円での価格は金と同様,国際価格(ドル建て)と為替の二要素で決まる。国債価格が一定でもドル/円で円安が進行すれば円貨でのビットコイン価格は上昇する。

国際価格が1ビッド3万8600ドルの時1ドル100円のドル/円であれば円貨では1ビット386万円だが、1ドル=200円になれば772万円となる。

先ほど、世界の法定通貨はすべて減価すると予想したが、物々交換の時代に戻らない限り、世界で最低一つの法定通貨は残る。残るのは世界の基軸通貨・ドルだろう。為替は相対的なものである以上、どの通貨がより減価するかで為替相場は決まる。

ビットコイン市場などを象徴する金メッキされたビットコインのクローズアップ
写真=iStock.com/skodonnell
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GAFAを抱えITという情報と、世界最大の原油産出国としてエネルギーという現在の二大資源を抱える米国は強い。さらにはコロナワクチン開発でもトップを走っている。ドルはその国の通貨でもある。

日米金利差も拡大しよう。インフレ期待相場が続けば、連邦準備制度理事会(FRB)はたとえ長く低金利を続けると宣言していようとも金利を低く抑え続けることができない。市場予想より、早めに金利引き上げを図る可能性がある。しかし日銀は前述したように引き上げることができない。となれば日米長期金利差という為替にとっての重要な要因が円安/ドル高を導く。

その点からしても、ビットコインの円貨での上昇は継続する可能性がある。たとえ国際価格が2分の1に下落しても、今の1ドル=104円が1ドル=208円になれば円貨ではチャラなのだ。ちなみに私は1ドル=208円などでは止まらず、はるかにすさまじい円安が進行すると思っている。

なお、円安の進行は日本経済にとっても好影響を与えるので、日本の株価も円安進行とともに上昇を続ける可能性がある。

「だから今、私は日本株は買わない」

円安進行を予想し、かつ日本では金融引き締めによるバブル崩壊が当面ないと予想するのなら、「ビットコインでなくても日本株の購入でもいいのではないか?」と言われるかもしれないが、私は今の日本株は買いたくない。世界最大のメタボである日銀が、危険状態だと思うからだ。

発行残高の半分以上という巨額の国債を保有し、その保有国債利回りがたったの0.257%しかない日銀は少しでも長期金利が上昇したら、債務超過となる。債務超過が大きくなっていけば、日銀は世界から見捨てられるだろう。それはその発行する通貨・円の大暴落をも意味する。

インフレになったり、景気が良くなれば倒産(正確に言えば、通貨の価値を回復するために新中央銀行を創設し、新しい通貨を作る)の危機となる中央銀行は、世界で唯一、日銀だけである。

マーケットが日銀に危機を感じれば、株・国債・円の暴落というトリプル安が起きる。日銀の金融引き締めによるバブル崩壊の可能性は低くても、日銀崩壊によるバブル崩壊の可能性が日本株にはある。それもその確率はかなり高いと思っている。だから今、私は日本株は買わない。