給付が完了しているのに、「まだなのか」と電話

もっとも、審査部門並みに調べられるわけではなく、仮に確認できたことがあってもオペレーターが入電者に伝えられる情報は制限されているので、せいぜい、

「ただ今審査中です」

「申請に不備がないことまでは確認できております」

「最終確認まで進んでおりますので、給付通知をお待ちください」

「すでに振り込みが完了しています」(給付が完了しているのに、銀行口座を確認もせず「まだなのか」と電話してくる人がけっこういるのです)

 程度の回答止まりなのですが。

とはいえ、これらの修正は給付対象者にとって多少なりとも有益に働くわけですから、ポジティブな変更と言えるのではないでしょうか。コールセンターのスローガンである「寄り添った対応」が、日々の業務に少しずつ反映されるようになってきたわけです。

他人の不正受給をタレコミたい人がたくさんいた

ですがその一方で、持続化給付金事業の「中の人」(私たちコールセンターのスタッフだって、その一員でしょう?)からすれば、変更ではなく単なる“迷走”にすぎないと思えるドタバタにもしばしば直面します。

給付金の不正受給がマスコミでしきりに取り上げられ始めた7月中旬、不正をしていると思われる個人や法人についての情報提供を広く求める『匿名情報ダイヤル』を、持続化給付金事務局が設けたことがありました。

ところが開設初日から入電が殺到、回線がパンクしたため、わずか1、2日で廃止されてしまったのです(他人の不正受給をタレコミたい人が、それほどたくさんいたというわけですね)。結局元通り、既存の私たちのコールセンターが、不正受給に関する情報提供も受けつけることになったのでした。