まずは模擬試験、その後はひたすら勉強
以上のように社会人の医学部受験を後押しする環境は整いつつある。だが、仕事に就きながら、本当に合格できるのだろうか。
医学部再受験を検討するなら、まず行うべきは模擬試験の受験である。私自身も社会人から「自分も医者になりたいんですけど」と相談されることがある。その際、「では、模擬試験受けて結果スコア見せていただけますか」と返答するのだが、実際にスコアを見せてくれた人は今のところ存在しない。「模擬試験は、勉強して基礎ができたら受けます」などと返答する人もいるが、そういうタイプが合格に至ったという話は聞いたことがない。
中には「今から医学部に行っても卒業は35歳になるけど、結婚や出産できますかね」などと心配し、あちこちに相談を持ち掛ける女性も存在するが、「そういうのは合格してから心配すれば」としか返答しようがない。こうした漠然とした不安で時間を浪費するタイプは、合格には至らないだろう。参考までに言えば、女医は現役合格者でも独身率が高く、年を重ねた再受験女医では独身率がさらに高くなっている。
結果がどうあれ、模擬試験で客観的な学力を把握した後は、不足分はひたすら勉強して補う……これが、昔も今も変わらない「何が何でも医大合格」したい人の受験対策の王道である。