リモートワークも増え、上司や同僚と直接会話する機会が減りました。普通に仕事をしているはずなのに、「悪いことが起きているかもしれない」「よくわからないけど不安がある」こういった悩みを抱える人が増えています。精神科医Tomyさんが、打たれ弱く、落ち込みやすい「豆腐メンタル」を克服する方法を伝授——。

※本稿は、精神科医Tomy『自分をもっと好きになる「自己肯定感」の育て方』(マガジンハウス)の一部を再編集したものです。

女性の力
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小さなことにこだわってしまう

まず、ゆがみに気がつく方法。

自分を強くするためには、自分の弱点について知らないといけないわ。この弱点というのは、自分の考え方(認知)のゆがみです。

どんな人間でも、普通に、当たり前に生活しているつもりでも、どこか考え方のゆがみというのが出てきます。

たとえば、何かあったときに、全部自分が悪いのかもしれないと思ったり、何も起きていないのに「悪いことが起きているかもしれない」と過剰に不安に思ったり。あるいはそんなにこだわらなくていいポイントなのに、こだわりすぎて逆にストレスを増やしていたり。

こういう考え方のゆがみに気がつくことがすべての始まりと言ってもいいわ。で、これは本当は認知行動療法というカウンセリングの手法なのね。プロが行うセッションによってゆがみに気づいてもらうわけ。

でも、そこまでやらなくても自分でもある程度、ゆがみに気がつくことはできます。それについてちょっと書いてみたいと思うわ。

まずわかりやすいようにたとえ話を出していきましょう。

ここで登場するのはAさん。AさんはLINEがすごく苦手です。でも、日常的にLINEを使わざるを得ないので、困っています。

これが認知行動療法だと、カウンセラーが話を聞きながら、考え方のゆがみについて示唆するわけだけど、ここは自分でやれる方法として、書き出すことを提案してみたいと思います。