格安スマホも割高になる衝撃的なプラン「アハモ」
政府の意を汲む形で、政府を大株主とするNTTグループが携帯電話料金の値下げ競争のリード役に躍り出た。だが、そこには、かつての「大NTT」の復活を期待する大望が垣間見える。
NTTドコモが12月3日に発表した「ahamo(アハモ)」と名付けた格安の新料金プランは、容量20ギガバイト(GB)のデータ通信料金を月額2980円(税別、以下同)で、2021年3月から提供するというもの。国内通話も1回あたり5分以内ならかけ放題で、ドコモユーザーが既存プランから切り替える場合は、手数料はかからない。
料金面だけみると、NTTドコモの現行の同容量プラン「ギガホ」の月額7150円に比べ、6割近い大幅値下げとなる。
アハモの月額2980円は、政府の値下げ要請を踏まえて、一足先に発表されたKDDI(au)がサブブランドのUQモバイルで提供する20GBで月額3980円の新プランや、同じくソフトバンクがサブブランドのワイモバイルで新設する20GBで月額4480円のプランを下回り、容量制限なしで月額2980円の楽天モバイルと肩を並べる。
低料金(10~20GBで3000円~4000円台)がウリの格安スマホもアハモに比べれば軒並み割高となってしまう。
ただし中高年世代やファミリー層にはハードルが高い
もっとも、料金を抑えるため、利用にあたっての制約も少なくない。
「アハモ」は、新規申し込みから各種手続き、サポートまで、すべてウェブまたは専用アプリで完結するようネット手続きに特化しており、従来のように対面式のドコモショップでは契約できない。
また、「みんなドコモ割(契約回線数に応じた割引)」「ドコモ光セット割(「ドコモ光」の契約に伴う割引)」「dカードお支払割(料金の支払いに「dカード」「dカードゴールド」を指定した場合の割引)」「ファミリー割引(家族内通話無料サービス含む)」など既存プランの各種割引は併用できない。
さらに、キャリアメールである「ドコモメール」も使えない。
井伊基之NTTドコモ社長が「デジタルネイティブの20歳代をターゲットにする」と宣言したように、「アハモ」は中高年世代やファミリー層にはいささかハードルが高いプランと言えるかもしれない。