元徴用工問題を収拾する責任は韓国側にある
続けて産経社説は指摘する。
「(姜氏は)いわゆる徴用工訴訟で日本企業に賠償を命じた韓国最高裁の判決についても『最高裁判決を優先するのは当然だ』と主張してきた」
この姜氏の主張は事実を歪曲している。
韓国の行為は請求権問題の解決を定めた1965年の日韓請求権・経済協力協定に違反する。韓国の最高裁が日本企業に元徴用工らへの賠償を命じた判決から2年が過ぎても、韓国政府は放置したままだ。その結果、日本企業の資産売却の手続きが進んでいる。日本企業の資産が現金化された場合、日本政府は強い対抗措置をとるべきである。
沙鴎一歩が度々訴えてきたように、事態を収拾する責任は韓国側にある。悪いのは文在寅政権なのだ。
文大統領は東京五輪を米朝の対話継続の舞台にしようと企む
さらに産経社説は指摘する。
「日本への接近を図りたいそぶりの文在寅政権だが、北朝鮮との融和を最優先課題にしていることに変わりはない。文氏はトランプ米政権下で行われた米朝対話が、次期大統領への就任が確実視されるバイデン前副大統領のもとで途切れることを恐れている。対話を継続させる舞台として東京五輪を利用する前段として、日韓関係の改善を企図しているとされる」
文在寅氏の頭の中には北朝鮮しかないのだろう。文氏が東京五輪をアメリカと北朝鮮の対話を継続させる舞台にしようと画策しているという産経社説の見解は、とても興味深い。
その根拠として産経社説はこう書く。
「韓国メディアによると、11月に来日した朴智元(パク・チウォン)国家情報院長は『東京五輪に金正恩朝鮮労働党委員長を招き、南北と米日首脳が北朝鮮の核問題や日本人拉致問題の解決策を議論する』という文氏の提案を日本側に説明した」
韓国の文在寅大統領は何を考えているのか。北朝鮮は日本を侮辱し、犯罪の数々を尽くしてきた。そのトップの金正恩委員長を東京五輪に招くことなど日本政府は断じて許可してはならない。そもそも国際社会が核・ミサイル開発を止めようとしない金正恩氏を許すはずがない。
ただ、10月16日の時点でアメリカのオブライエン大統領補佐官(国家安全保障担当)がウェブイベントで「北朝鮮は東京五輪の参加に興味を持っている」と指摘し、「(アメリカが)東京五輪の期間中かその前後に北朝鮮と交渉を行う機会があるかもしれない」と述べていたことが気になる。