表向きには「語りあってみては」と呼びかけているが…
朝日社説は続けて書く。
「日韓双方は、国交正常化以来の取り決めを守っていかねばならないのは当然のことだ」
「他方、歴史問題だけが両国関係のすべてではない。日韓には長年積み上げてきた互恵の実績がある。それを発展させていくべきパートナーの関係にあることもまた事実だろう」
「いきづまる関係を打開するのも政治指導者の大きな役割だ。菅首相は就任後、初めて文在寅大統領と直接向きあい、懸案を語りあってみてはどうか」
「取り決め」「互恵の実績」「パートナー」ともっともらしい言葉を並べているが、気を付けながら読み進めると、朝日社説が得意とする単なる理想論にすぎない。美辞麗句に騙されてはならない。表向きには「語りあってみては」と菅首相に優しく呼びかけているが、その裏側には「まともに話し合えないだろう」との嫌みが透けて見える。
韓国が開催地であるからこそ、日本政府は気が抜けない
最後に朝日社説はこう主張する。
「年内開催が見送られても、議長国は変わらない見通しだ。韓国であれば日帰りでの参加も可能だ。菅首相は前提条件なしにサミットに出席すべきである」
韓国が開催地(議長国)であるからこそ、日本政府は気が抜けないのである。
しかもアメリカを蹴落として世界一の経済大国、軍事大国にのしあがろうと画策する中国もいる。韓国はそんな中国とかなり親密だ。
日本政府は韓国に対し、元徴用工問題に関して正当な条件を示し、韓国がその条件を呑むまで日中韓サミットには参加の意思を示すべきではない。外交交渉とはそういうものである。