外食産業の勝ち組はマクドナルドとくら寿司

不特定多数の第三者との接触を避けるべくリモートワークやデリバリーがはやったため、情報・通信業のパフォーマンスは良い。一方で、感染拡大防止のために人の動きが極端に減少したことから、陸運や空運はパフォーマンスが悪い。

また、リモートワークの普及によってオフィス需要が減退したり、商業施設も時短営業や営業の一時休止があったことから、不動産業もパフォーマンスが悪かった。特に難しい分析をせずとも、これらの結果は容易に想像できただろう。後学のために株価がコロナ以前を超えている企業を分析するのであれば、これらの分かりやすい業種以外から選んだ方がよさそうだ。

そこで、まずは一見コロナが逆風になると思われる外食産業において、株価を上昇させた企業を探してみよう。足元ではコロナ以前の株価水準に戻っているものの、夏には大きく株価を向上させた日本マクドナルドホールディングスや、直近でも高い株価を維持しているくら寿司は分析する価値がありそうだ。

日本マクドナルドホールディングスの株価推移
くら寿司の株価推移

モバイルオーダーとデリバリーに評価が集まる

日本マクドナルドホールディングスがコロナ禍においても株価が上昇、つまり投資家から評価された理由の一つは、顧客のニーズにしっかりと応えることができたからだろう。ここでいう顧客のニーズとは不特定多数の客や店舗スタッフとの接触を避けながら、同社の商品を購入するということだ。

東京・渋谷のマクドナルド
写真=iStock.com/tupungato
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マクドナルドといえば、自動車で店舗まで行ってそのまま商品を受け取るドライブスルーを思い浮かべる人が多いかもしれないが、今回評価されたのはモバイルオーダーとデリバリーであろう。

同社は公式のアプリとモバイルオーダーを統合し、基本的にはアプリだけで商品の購入や受け渡し場所の指定も可能にした。これによって接触を極力回避することができる。また、デリバリーに関してもUber Eatsだけではなく、マックデリバリーという自社による配送網も構築していた。

当然ながら、自社商品を配達する際には、自前の配送網を使った方が質の高い配送が可能になることは言うまでもない。他社がコロナ禍において慌ててUber Eatsや出前館といった外部の配達手段に頼ったのとは状況が違うのだ。

くら寿司は回転寿司を展開する企業だが、同社もコロナ禍において評価を上げた外食企業である。具体的には「スマートくらプロジェクト」と称して、来店客の案内から会計までをスムーズに行う「セルフでくら」、スマホで注文など快適・便利な「スマホでくら」、感染症予防の取り組み「安心のくら」、お持ち帰りや出前、通販の「おうちでくら」という4つの取り組みが評価された。