財務諸表と中期経営計画で成長力を見極める
これまで具体的に3社をみてきたが、すべての企業に共通していることは、今回投資家に評価された施策は、決してコロナ対策で打ち出した施策ではないということだ。これから訪れる新しい生活様式を考えたうえで取り組んできたことが、たまたまコロナ禍における人々の行動変容にマッチしたということでしかない。
たとえば、日本マクドナルドホールディングスは2018年に発表した中期経営計画のなかで、成長のための3本の柱のうち、「成長を加速」という項目で既にデリバリー、デジタル、未来型店舗体験を掲げていた。
つまり、将来伸びる企業を探す際には、足元の業績や目先の利益だけを追求している企業ではなく、将来を見据えて中長期の計画をしっかりと立てて、しっかりとコミットをしている企業を探すべきなのだろう。筆者はこれまでは財務諸表を中心に分析することが多かったが、コロナ禍をきっかけに企業の中期経営計画書も精査すべきだと実感した。