ところが、その運輸業が大きな赤字を抱えているのが京成の決算の特徴だ。セグメント別営業利益をみると、運輸業が約154億円(うち鉄道が約66億円、バスが約62億円、タクシーが約26億円)の赤字を計上しているのに対し、レジャー・サービス業の約13億円の赤字を除けば、不動産業は約41億円、建設業は約5億円、流通業は0.2億円の黒字を計上しており、運輸業が大きく足を引っ張っていることが分かる。
航空需要が戻らない限り苦境は続く
京成電鉄は2019年度中間決算で旅客運輸収入約341億円のうち約112億円が成田空港発着の利用者が占めていたように、運輸収入の3分の1を空港輸送が占めていた。ところが新型コロナウイルス感染症の影響で航空需要は激減。成田空港の中間決算によれば、成田空港の航空機発着回数は前年同期比64.5%減の4.8万回、航空旅客数は同94.0%減の136万人になった。
これに伴い、京成の成田空港発着する輸送人員は同85.9%の減少、旅客運輸収入も85.9%の減少を記録している。航空需要の回復には相当の時間を要する見込みで、京成の苦境はしばらく続きそうだ。