「コロナに打ち勝った中国が世界を支配する」でいいのか
沙鴎一歩が一番おかしいと感じているのが、新型コロナへの対応である。
昨年12月に中国・湖北省武漢市から未知の新型コロナウイルスが発生しても、中国政府は当初、「人から人へは感染していない」と主張していた。その結果、武漢市内では感染者が増え、感染の拡大はあっと言う間に世界中に広がり、パンデミック(地球規模の感染)を引き起こした。1月23日には中国も武漢市をロックダウン(都市閉鎖)せざるを得なくなった。
中国の当初の「人・人感染」を否定する対応がWHO(世界保健機関)の公衆衛生上の緊急事態の宣言を遅らせ、世界を新型コロナ禍の渦に巻き込んだ。その責任を中国は少しも感じていない。感じていないどころか、中国のその後の感染流行の低さを武器にして社会・経済の活動を活発化させている。感染の拡大が収まらない欧米に真の援助の手を差し向けることも念頭にはないのだろう。中国はアメリカのトランプ大統領顔負けの自国第一主義国家であり、共産党一党独裁の脅威が存在する。
新型コロナに打ち勝った中国がこれからの世界を支配する、などと指摘する経済の専門家もいる。しかし、自国の過ちを認めない国に世界を支配させてはならない。