人ごとではいられない40歳以上の失明リスク

人は情報の約8割を視覚を通して得ているといわれるが、あなたは大切な「目の点検」をしているだろうか。年とともに失明につながる病気の発症リスクが高まることを知っておきたい。

年配の男性がクリニックで目の試験を取得クローズ アップ
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失明原因第1位の「緑内障」は、40歳以上の5%、20人に1人が発病するといわれる。眼圧(目の内圧)などの影響で視神経の障害が進み、見えにくさが出てくる病気だ。ゆっくりと視野が欠けていくため、見え方の異常に気づきにくく、また1度欠けてしまった視野は元には戻らない。東京女子医科大学眼科教授の飯田知弘医師はこう話す。

「実際には見えていなくても、脳がもう一方の目からの情報により、見えない視野の部分を補正して1つの像としてきれいに見せます。たとえ両目で緑内障を発症しても異常に気づかないほど。黒い影ができて欠けるというより、ぼやけて見えることが多く、老眼などと勘違いすることもありますね」

緑内障は発症に対して進行を遅らせることしかできない。そのため早く見つけて治療を始めることが大切になるが、健康診断などでよく行われる、目にプシュッと空気を吹き付けて目の内圧を測定する「眼圧検査」だけでは発見が難しいという。