『なぜこの話し方だと成功するのか──あなたを売り込む最高の技術』(02年)の著者、アーチ・ラストバーグは、効果的なセルフプロモーションと不愉快な自慢の違いを一言で表現する。好感度(ライカビリティー)の差であると。
「まずあなた自身を気に入ってもらわなければ、あなたのメッセージや考えを気に入ってもらえない」と彼は言う。
セルフプロモーションのスキルを磨きたいビジネスパーソンのために、専門家が勧めるコツを紹介しよう。
[1] 言葉と行動でネットワークをつくる
自分が組織にもたらす価値を他の人々に確信させるためには、言葉だけでなく行動も大切だとアメリカン・ビジネス・ウィメンズ・アソシエーションの前会長でコンサルタントのアン・マーは言う。同僚や上司のために仕事を引き受けたり、彼らと一緒にプロジェクトをやり遂げたりすることによって、自分に感謝する同僚や上司のネットワークを築くことだ。「効果的なネットワークとは、人と人との互いの恩義(の複合体)のことだ」とマーは言う。
[2] しっかり準備する
クラウスが「自慢伝達法(bragologue)」と呼ぶ短い雑談用のセリフを用意しよう。これは、エレベーターでたまたまCEOと二人きりになったときなどに使える。ブラゴローグには、自分は何者で、どんな仕事をしており、組織にどのように貢献しているかが盛り込まれなくてはいけない。だが、内容がよいだけでは不十分だ。「自分の物語を語るときには、自分の子どもの話やお気に入りの姪の話をしているときのように熱中して語らなくてはいけない。自分の大切な人の話をするときに劣らぬ情熱を持って、自分について語る必要がある」。