[3] 適切なタイミングを選ぶ
クラウスは著書の中で、最悪のタイミングで自分の成功を発表した典型的な例を挙げている。架空の人物アンとその同僚が、厳しい上司の下で、昇給を凍結され、苦しい仕事を強いられている。そうした逆境にもかかわらず、アンの勤勉さと手腕は昇進というかたちで報われ、彼女は鬼のような上司から逃れられることになった。彼女は虐げられている同僚たちがミーティングをしているところに飛び込んで、この朗報を発表する。憮然として黙り込む同僚たち。アンは、なぜ誰も一緒に喜んでくれないのか理解できない。
その部屋の「心理的温度」を感じ取って、嫉妬ではなく希望を掻き立てるかたちでそのニュースを伝えればよかったのだが、とクラウスは言う。アンが思いやりと敬意を示す発表の仕方を選び、元同僚たちの名を汚さぬよう新しいポジションで懸命に働き、同僚たちが異動できるよう尽力すると真剣に約束していたら、もっとよかったのだ。
[4] 言葉や表情に気をつける
ありがちな失敗で、言葉によるコミュニケーションの効果を台無しにしかねないものが2つある、とラストバーグは言う。1つは、むやみに難解な言葉を使うことだ。「印象づけようという意図が見え見えの、もったいぶった長い言葉は反感を買う。相手はあなたのことを頭のいい人間だとは思っても、好きにはならない」。
もう1つの失敗は、表情やしぐさを間違えることだ。最高に説得力のあるセルフプロモーションの逸話でも、むっとした表情やおどおどした表情で伝えたのでは好印象を与えることはできない、とラストバーグは言う。
[5] 功績泥棒を防ぐ措置を取る
他人の功績を盗んではいけないのはもちろんだが、自分の功績が他人に盗まれないようできるかぎりの手を打つことも必要だ。スポーツと同様、功績泥棒に対しても、たいていは優れた攻撃が最良の防御になる、とクラウスは言う。功績泥棒を排除する(たいていは徒労に終わるが)のではなく、会議やメールや雑談を通じて、チームの最近の成功に自分が果たした役割や将来の成功のための自分のアイデアを、上司に頻繁に知らせよう。