組合員が賞与を社内預金に回し、資金不足を乗り切る
未曾有といわれる不況下で日本的経営を支えてきた「従業員主権」が揺らいでいる。従業員主権はいうまでもなく株主主権に対置されるもので、働く人々を企業の競争力の源泉と見なし、その具体的担保として雇用の確保・継続を保証する考え方である。その真価が問われるのは現在の過剰雇用期であるが、それに耐えきれずに一気に外部労働市場に吐き出す企業が増えている。
もちろん大不況は今回が初めてではない。いくたびかの不況に直面し、事業再生を模索しながらも雇用を最大限守り抜いてきた企業もある。総合化学メーカーの旭化成もその一つだ。同社は戦後の1948年の大争議を経て労使協調路線に転換。以降3度の不況を乗り切ってきた。
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