生活習慣病のエキスパートである池谷敏郎医師の著書が売れている。『50歳を過ぎても体脂肪率10%の名医が教える 内臓脂肪を落とす最強メソッド』(東洋経済新報社)は13万部を突破。さらに無駄な脂肪を燃やす方法について『代謝がすべて』(角川新書)を上梓した。今回はこの最新作から、「水を飲んでやせる秘密」について紹介しよう──。(第2回/全3回)
※本稿は、池谷敏郎『代謝がすべて』(角川新書)の一部を再編集したものです。
水を飲むだけでエネルギー消費が増える
水を飲むだけでやせる。そんな夢のような研究結果があります。
健康な男女14人を対象にしたある研究では、500ミリリットルの水を飲むことでエネルギー消費がどう変わるかを調べたところ、飲み終わってから10分以内に効果が出始め、男女ともにエネルギー消費が30%増え、その効果は1時間以上続いたそうです。
この研究では、1日1.5リットルずつ水の摂取量を増やすと毎日のエネルギー消費量が50キロカロリー増え、この習慣を1年間継続すると1万7400キロカロリー余計にエネルギーを消費することになり、脂肪組織2.4キログラムに相当する、と結論づけられています。
体内でエネルギーを使ってお湯を沸かすようなもの
水を飲むだけでエネルギー消費が増えるなんて、「え、本当?」と不思議に思うかもしれません。でも、体内で起きていることはとてもシンプルです。
この研究で飲んでいる水は、22度という体温よりも低い常温の水です。温度の低い水を飲めば、体の中で体温と同じ温度にまで温められますよね。温めるには当然エネルギーが必要です。そのエネルギーはどこから来たのかといえば、もちろん自分でつくりだしているわけです。体内で、エネルギーを使ってお湯を沸かしているようなもの。
ですから、水を飲むだけでやせる(=エネルギーを使う)ということは、決して不思議なことではありません。