「血行をよくする」ことを意識する

冷えを感じている人たちのほうが実際は体温が上がっていたとは、面白いですよね。この実験結果から私が伝えたいことは、決して、冷え性が得ということではありません。

寒さを感じて体温を上げるために自ら熱をつくりだす行動をとることが代謝を上げることにつながる、ということです。

ですから、暑い夏よりも寒い冬のほうが体を温めようと熱をつくりだす分、基礎代謝は上がります。

同じように、冷えを感じたときには着込んだり部屋の温度を上げたりするよりも、あえて着込まず、部屋も暖め過ぎず、ストレッチをしてみたり、ゆっくり腰を下ろすだけのスロースクワットをしてみたり、あるいは座ったまま手足をグーパーする、貧乏ゆすりをするだけでもいいので、少し体を動かすことで体温を上げるようにすると代謝が高まります。

上着を脱ごうとする男性
写真=iStock.com/BilevichOlga
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手足を動かすと、筋肉で熱がつくられるとともに末端の血管が開いて血流がよくなり、末端まで温かい血液が行き渡るようになるので、手足の先まで温まります。でも、体表面が温かくなれば、今度は体表面から熱が外に逃げていくので、また内側から熱をつくりださなければいけなくなって、エネルギー消費が増えるのです。

そういう意味で、血流をよくする行為は、代謝をよくすることにつながります。

サウナや入浴の代謝アップ効果は?

体を温めるといえば、最近、若い人たちの間でサウナが人気です。サウナも「代謝にいい」というイメージをもっている人は多いと思います。

サウナに入ると体が一気に温められて、バーッと汗をかきますよね。上がった体温を37度前後まで下げるために汗をかいて調節するわけです。汗をかくということも、エネルギーを消費します。

なおかつ、高温のサウナ室に入ると心臓がバクバクと動き心拍数が上がりますよね。同時に、体温が上がると、私たちの体は体表面に近い血管を広げて血流をよくして、熱を体の外に逃がそうとします。