嵐のなかで先をうかがう伸縮性を維持

ウィズコロナの日々のなかで、新しい動きが広がっている。家庭生活や働き方の見直しを受けて、既存の製品やサービスが再評価されたり、新しい用途を見いだされたりする動きが各所で生じている。こうした市場の変化をテコに、事業やブランドを大きな飛躍に導くのは、どの企業か。そこでは風まかせではなく、風を生かす主体性を発揮していくことが企業には求められる。

チェキについては、コロナ禍を受けて、「instax@home」を共通コンセプトに、ステイホームのもとでのチェキの楽しみ方の訴求を、世界中ではじめている。ホームデコレーションやクラフティングなど、家のなかでのチェキの活用方法の発信を、SNSなどを活用して続けている。

“チェキ” instax mini LiPlay
写真提供=富士フイルム
2014年からチェキシリーズにスマホ用・プリンンターを投入(写真はInstax mini Link)

そのなかで新たに富士フイルムが手応えを感じているのは、スマホの普及拡大に合わせチェキシリーズのラインアップとして追加したスマホ用プリンター「instax mini Link」への評価の高まりだという。

このチェキプリンターの新しい機能として、手書きのメッセージやイラストを写真に重ねて遊べるアプリを投入したところ、従前からの顔写真の合成や相性診断などの機能と相まって、「自宅でも存分に楽しめる!」と評価され、欧米を中心にスマートフォン・プリンター市場での販売シェアが拡大しているという。

嵐をいかに乗り切るか。屏風びょうぶは広げすぎても、縮めすぎても倒れる。富士フイルムはチェキに対する風向きの変化をとらえ、次なる機会を引きよせるために、屏風のような伸縮性を発揮してきた。その伸縮性こそチェキ再生のカギである。

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