女性有権者の判定「出産費用ゼロ」×「不妊治療保険適応化」△
少子化対策として考えた時、「出産費用ゼロ」は現状認識としてズレている。一方、「不妊治療の保険適応」は遅すぎる感はあるが、「自己負担が安いなら頑張ってみようかな」というカップルは存在するので、一定の効果は期待できるだろう。
というわけで、少子化対策としては菅氏に軍配があがるのではないか。もし、市民に投票権があるなら、菅氏に清き一票を投じる人が多いはずだ。
「現役世代に負担を押し付けない」が、最良の少子化対策
日本の少子化の最大の原因はなにか、と改めて考えた時、筆者がその筆頭として挙げたいのは、「世代間格差による現役世代の疲弊」である。
病院では自己負担1割の高齢者が待合室を「サロン化」し、もらった薬は押し入れに放置し、差額は自己負担3割の現役世代に社会保険料として重くのしかかる。
一方、現役世代は、増え続ける高齢者の年金と医療を支え、自分の老後は「年金じゃ足りないので2000万円は貯金しておけ」と言われ、さらに「子ども産んで育てろ」と言われる始末だ。「そんなの無理です」と、不本意ながらあきらめてしまう世帯が増えるのも無理なかろう。
今回のコロナ対策でばらまいた税金のツケは、膨大な借金となった。もし高度不妊治療が保険適用になっても、今後、それ以上のペースで増税や社会保険料が増加し、出産可能な現役世代が貧しくなれば、結局のところ少子化は改善しない。自分たちが食っていけるかどうかも不安な状態で、
自民党総裁選の3氏に言いたい。まわり道のように見えるかもしれないが、全世代に公平な社会福祉のあり方こそが根本的な少子化対策だ。医療の現場で日々働く者として、また子供を育てるひとりの女性としてそう思う。