原因不明の「眠れない」が週の半分以上あったら要注意

ストレスによる症状で難しいのが、「まだ、医者にかからなくてもいい症状なのか」「どの程度の症状があったら医者に行くべきなのか」の判断になります。実際、私の産業医面談で不調症状を訴える人のなかには、自分の症状が医者に行くべき症状なのかを聞きたくて来られる方が多くいらっしゃいます。

ここでは、大まかな判断基準になりますが、どの程度の症状のときに医者に行くことをお勧めしているか、お話したいと思います。

睡眠

毎日爆睡できるなら、問題はありません。また、たまに寝付けなかったり、夜中に目が覚める、あるいは早朝に目覚めるときがあっても、その原因が、「翌日の会議」や「苦手な人との打ち合わせ」「難しいプロジェクト」などとわかっているときは、喜ばしい状態ではありませんが、セーフです。

上記のような原因がなくなっても、または原因がわからないのに、満足のいく睡眠がとれず、翌日のパフォーマンスに影響が出ているのならば、医者に行くことを考えるべき段階です。

このような満足のいかない睡眠が週の半分以上あったり、合計しても4時間も眠れないことが2週間以上続く場合は、必ず医者に行ってください。

「会社で就業中に涙」は医者に行くべき段階

朝の電車

朝、気分がのらなくても、通勤するためにいつもの電車に乗ることができるのであれば、問題ありません。

一方、駅にいるのに通勤電車をあえて遅らせてしまう、途中下車して何本かやり過ごしたりして出社時刻が遅くなってしまう、ただし遅刻まではしないという場合は、注意喚起の症状といえます。そろそろお医者さんの受診かカウンセリングを受けるべきか考慮すべき段階です。一方、実際に遅刻するようになり、またそれを上司や同僚に指摘されるのは、医療受診すべきレベルといえます。

会社での涙

メンタルヘルス不調の症状として比較的多いのが、「わけもなく涙が出てしまう」というものです。涙が出るのが、帰宅後や会社以外の場合、それは喜ばしくはないけれど、ある意味普通のことです。

ただ、会社で就業中に涙が出そうになり、席を外して気分転換すれば堪えられる、トイレまでは我慢できる、あるいは上司にいろいろ言われて泣いてしまったというケースは医療受診を考慮すべき段階といえます。

また、職場の自分の席で泣いてしまう、涙がこぼれてしまう、それを同僚に気づかれる場合、主治医と休職について相談するべきだと考えます。