「いないはずの上司がいる気がする」は受診サイン
帰宅後
疲れのために一旦少し寝てしまうのは、誰にでもあることです。しかし、寝すぎてしまい、起きたら真夜中で、そこから食事をとったり、お風呂に入ったりと、生活リズムが崩れてしまうのは危険信号です。
また、ご家族と暮らす人の場合、ルーチンの家事ができなくなるようであれば、危険信号ですので、医療受診すべきでしょう。
予期症状がある
上司に叱られた日や仕事でいっぱいいっぱいな時に眠りづらかったり、気分が落ち込むのは、嬉しくないけれど普通のことです。誰でも、原因となるようなことが起こって、そのあとに症状が出るものなのです。
また、起こっていないけれども、起こる可能性が高い嫌なことがある時も、症状が出てしまうのも普通のことです。例えば、嫌な上司とのミーティングの前の日は眠りにくい、緊張度の高い仕事のある時は動悸がするなどです。
一方、原因が起こっていないにもかかわらず、症状が出てしまう場合、それはお医者さんに行くべきなのかもしれません。たとえば、苦手な上司が今日は休暇でいないとわかっているのに、上司が後ろに立っている気がして振り返ってしまうなどの症状がある時、それは医療受診のサインとも言えます。
「自分のストレス症状」を知ることが重症化防止には大切
ストレスによる症状は人それぞれ異なりますが、一度出た症状は次も出る可能性が高く、自分自身に出てくる症状はたいてい決まっています。ですから、自らのストレス症状について知っておくことで、その症状が出たなら、いま自分にはストレスがかかっている、対処が必要だという自覚を持てるようになれます。そこでしっかりと早めにストレスに対処ができれば、重症化しないで済むことも少なくありません。
とはいえ、自分の状態を自分がいちばんよくわかっていない、ということも少なくありません。相談した相手や、かかりつけの医者に、「原因は精神的なことじゃない?」と言われたら、端から否定したりせず「そういうこともあるのかな」と思える余裕を持ち、立ち止まって考えることも、重症化を避けるための重要なポイントと言えます。