ワクチン接種の優先順位を、どうやってつけるのか
次に同じ8月19日付の東京新聞の社説を見てみる。見出しが「コロナワクチン 迅速な接種へ備え急げ」で、こう書き出す。
「新型コロナウイルス感染症対策の切り札としてワクチンの開発が待たれている。迅速な確保と国民への着実な接種が求められる。政府はワクチン実用化への支援と接種体制の整備を急いでほしい」
東京社説も産経社説と同じく、副反応の問題を抜きにワクチン投与を肯定するのかと思いきや、少々違う。
続けて東京社説は「ワクチンを社会に行き渡らせるには開発と確保だけではなく、どう接種の優先順位をつけ実施するのか、その際の費用負担などの課題に目配りして体制整備に取り組む必要がある」と訴えている。
やはり「過度な期待は禁物である」
さらに健康被害の問題についてもこう指摘する。
「ワクチンなど新薬は有効性や安全性の確認に時間がかかる。期待された有効性が確認できない可能性もある。さらに生産体制もすぐに整うわけではない。過度な期待は禁物である」
やはり過度な期待はすべきではない。新型コロナでは8割以上の感染者が軽い症状や無症状で治癒している。表現は乱暴かもしれないが、ワクチンの重い副反応に苦しむぐらいなら、新型コロナに罹患したほうがましかもしれない。ワクチンの開発にかかわらず、防疫と経済のバランスを取ることが、今後ますます重要になるだろう。