「健康体」40歳の人が85歳まで生きて残ったお金は+711万円

【ケース1】
現役時代に「ほぼ健康体」だった人(大病なし)
85歳で他界時の預貯金→→「+711万円」

日頃から、食事や運動、体調管理には留意している。収入も800万円と高く、貯金の中から800万円を頭金にして、昨年(39歳時)、都内に念願の4800万円のタワマンを購入した。残りの4000万円は35年の住宅ローン(全期間固定金利1.245%、75歳時に返済完了)を組んだ(ケース2、3も同)。旅行が趣味で“おひとり様”を満喫し、生涯独身を貫いた。

円札のパックの山
写真=iStock.com/fatido
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収入面は、60歳の定年退職時に退職一時金として2000万円を得て、その後も継続雇用で働き(年収450万円で64歳まで)、65歳の年金受給を機にリタイア。公的年金は、65歳から年額230万円を受給した。

支出面は、基本生活費として定年までは月額約20万円(住居費およびその他の支出を除く)。60歳定年退職後は8割として計算した。スポーツジムは70歳まで続けて体を鍛えた(月1万円)こともあり、一度も大病をしなかった。

だが、70歳以降、さまざまな老化現象が出て、病院での診察(月5000円~1万円)や、在宅で介護サービス(自己負担額年約20万~32万円、下記参照)を受けるようになり、85歳で老衰により死亡した。

85歳で他界した際に残った貯金は711万円。現役時代だけでなく定年退職後にも健康を心掛けた生活をしたことで、結果的にあまり多くの医療費・介護費はかからず、黒字で生涯を閉じたことになる。

▼医療・介護費
70歳以降は在宅で介護サービスを受けると仮定
●70歳以降:医療費月5000円(年額6万円)
要介護1の自己負担限度額1万6765円(1割負担)(年間約20万円)
●75歳以降:医療費月8000円(年額10万円)
要介護2 同上〔1万9705円(1割)(年間約24万円)〕
●80歳以降:医療費月1万円(年額12万円)
要介護3 同上〔2万7048円(1割)(年間約32万円)〕+上乗せサービス(月1万円)