「リタイア後に発症」40歳の人が85歳まで生きて残ったお金は-228万円

【ケース3】
「リタイア後に発症」した人(66歳脳卒中、75歳認知症)
85歳で他界した時の預貯金→→「-228万円」

【ケース3】は、【ケース2】と同じように40代から高血圧症の持病を抱え、定期的に通院していたものの、定期的にスポーツジムに通ったり、日頃の食事に気を遣ったりして、体のケアをして症状を抑えていた。そのため、60歳の定年退職後も継続雇用で働くことができ、収入を確保できた。

空のジム!
写真=iStock.com/skynesher
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ただ、残念ながら65歳に年金受給を機にリタイアした翌年、66歳で脳卒中を発症し、【ケース2】と同じく75歳で脳血管性認知症を発症してしまう。85歳で死亡。

【ケース2】同様に、40歳から85歳まで、持病の高血圧症を含む治療・投薬などにかかった費用や介護費などを計算すると、こちらは計1540万円弱だった(下記参照)。【ケース2】より、脳卒中になる年齢が遅かったため、コストも若干少なかったが、やはり【ケース1】では1円も負担しなくてすんだものだ。

【支出】
▼医療費・介護費 合計(①+②+③):1539万2127円
●40歳で「高血圧症」と診断され投薬(40~65歳:213万9600円-①)
a)40~44歳:34万2000円 b)45~59歳:80万4000円 c)60~65歳:99万3600円 ※1、★1
●66歳で「脳卒中(脳梗塞)」を発症(66~85歳:236万2527円-②)
手術・入院費用8万2527円 ※2、★2
退院後、月1回通院228万円 条件同
●75歳で「脳血管性認知症」を発症(75~85歳:1089万円-③)
薬物療法:120万円 ★4
介護費用(在宅介護):969万円 ※3、※4、★5

【ケース3】でも、脳卒中で入院した時に医療保険から給付金を受け取る(約118万円)などの臨時収入があったが、試算の結果、他界した85歳時の預貯金は「-228万円」。晩年は経済的にギリギリの生活を強いられていたことになる。