幸福感とイライラをもたらす糖質中毒
缶コーヒーも“微糖”を選んでいるから大丈夫と思うのも、大間違い。“微”のイメージからはほど遠い、スティックシュガー換算で1~3本の糖を含む商品が大半だ。
さらに微糖、甘さ控えめ、カロリーオフなどの商品には“甘さ”に慣れやすいアスパルテームやスクラロースといった「人工甘味料」も含まれている可能性が高い。
甘さに慣れることを牧田医師は「糖質中毒」と呼ぶ。
「たくさんの糖を取ると、血糖値がぐんと上がり、脳内物質のドーパミンが分泌されるので幸せな気分になるんです。血糖値が急上昇する→脳がご褒美と感じる→インスリンが大量に分泌され血糖値が下がる→低血糖でイライラ→再び飲みたくなる、というサイクルになってやめられない。タバコを吸ったら気分が良くなるニコチン中毒と同じですよ。糖質中毒から抜けるには2カ月ほどの我慢が必要とみています」
コーヒーそのものは動脈硬化や糖尿病防止にも働き、良いドリンクだ。余計なものを添加した市販の缶コーヒーが体に良くないことを知っておきたい。そしてどうしてもコーヒーに砂糖を入れたいときは、自分で足したほうがまだいいだろう。もう1度、図を見てほしい。自ら砂糖(スティックシュガー)を入れるなら、3本以上ともなると躊躇するのではないだろうか? 普段目にする市販ドリンクには“見えない糖”がここまで含まれているのだ。
それでは夏においしいアルコール類についてはどうだろうか。
最も気をつけたいものは「梅酒」。
「梅酒100ミリリットルで一般的にスティックシュガー9.8本分もの糖分が含まれています。梅が氷砂糖に漬かっているものをもとにしていますから、まさしく砂糖の塊といえます」(遠藤氏)
ビールは食後に血糖値を上げやすく、日本酒は糖質が高いので、どちらも飲む量に注意が必要だ。
ワインの場合は、発酵の過程でブドウに含まれる糖分がアルコールに変化するため、糖質がほぼ含まれない。
「赤ワインにはレスベラトロールなど、さまざまなポリフェノールが含まれます。抗酸化作用が高く、AGEも半分くらいに抑えられるという研究もあるのです」(牧田医師)
ちなみに白ワインにもポリフェノールは含まれる。
ドリンクの良し悪しは、砂糖(糖質)量はできるだけ少なく、そしてポリフェノールをできるだけ多く含むもの、という観点から選ぶといい。もちろんシンプルに「水」も、花丸だ。