働ける人と働けない人の選別が始まる
似たような話もある。自粛期間中の在宅勤務を長期の休暇と勘違いしている社員もいるらしい。IT企業では出社制限が緩和され、出社した直後に部長席に歩み寄り、熱心にプレゼンまがいの話を始めたらしい。近くにいた課長はこう語る。
「在宅中は何の仕事をしているのかわからなかったのに『自分はこういうことを考えていた』と盛んに部長にアピールする。だったら会議室でやればいいじゃないかと思うが、本人は周囲にも聞かせたいらしい。しかも中身は夏休みの宿題をギリギリになってやっつけた程度のものでスカスカ。本人にすれば仕事をしていなかった負い目があるのかもしれないが、墓穴を掘っているとしか思えなかった」
同社は今後もリモートワークを継続していくことにしているが、同社に限らずリモートワークを新しい働き方として定着させていこうという企業も少なくない。そうなるとますます目に見える成果が問われることになる。
成果を生み出すには管理職のマネジメントスタイルも大きく変わるだろう。同時にITリテラシーはもちろんのこと、効率よく生産性を上げる自律的な働き方ができる人とできない人の選別がこれから始まるかもしれない。