若手社員「ITリテラシーが低すぎる…」
コロナ禍ではITリテラシーの低さや新しいことに挑戦しない社員も炙り出した。中堅の外食業では緊急事態宣言後の自粛要請で2021年卒の採用活動がストップした。大手企業がオンライン説明会や面接に切り替える中、同社ではオンライン面談に切り替えることに反対する社員が多かったという。若手の人事担当者はこう語る。
「年輩の社員を中心に『オンラインの面接で学生を見極められるわけないだろう、何を考えているんだ』という意見が多かった。というより、今までZoomを使ったことももちろんないし、エクセルやパワポすらできない。ITリテラシーが極めて低い人たちだから、そもそもオンライン会議がどういうものかも知らないし、イメージすらわかない。こんな人たちが会社の上層部にいること自体、がっかりしました。それでもライバル他社がオンラインに切り替えるなかで、実施までに2カ月かかり、完全に出遅れました」
例年なら大手に先行して4月には内々定を出していたが、事実上6月再開となり、新卒獲得に苦戦しているそうだ。
つかえない奴に在宅勤務は無理
じつは日頃から仕事に消極的な姿勢が目立つ、いわゆる働かないオジさんや、職場の人間関係がうまくいっていない社員の在宅中の仕事の成果が上がっていないことも炙り出した。物流会社の人事部長はこんな事実を吐露する。
「管理職のなかには、信頼する部下に重要な仕事を振り、締め切りを守らず人間的に信頼できない部下には重要ではない仕事を振る人がいる。また、煙たい存在の年上の部下にはルーティンの雑務と後輩のフォローをやってくださいと言っているだけだが、在宅勤務になったら信頼できない部下はますます仕事をしなくなった。年上の部下にいたっては後輩と連絡をとることもなくほとんど何も仕事をしていないようだという話も聞いている。家でゴロゴロしているか、適当に顧客に出向いて雑談をしているぐらいではないか。管理職にも大いに問題があるが、彼らには在宅勤務なんてほとんど無理だということもわかった」
在宅勤務は、成果を上げる社員とそうでない社員をリトマス試験紙のように見分ける効果もあるようだ。