しかし、20時~の運動をタスク化し、優先順位を仕事と同等にしておけば、運動を後回しにする理由はありませんよね。むしろ、仕事を後回しにするか、あるいは、そうならないように「時間当たりの効率を上げよう」という発想になるはず。「20時~の運動はマストなのだから、20時までに仕事をきっちり終わらせよう」「万が一、終わらなかったら、明日の朝からのタスクを見直そう」と考えることができます。まさにこれは、カレンダーとタスク化による進行管理、プロジェクトマネジメントの一環です。
とうとう、その瞬間が訪れた
その瞬間は、予想外のタイミングで訪れました。
実はダイエット期間、僕は朝晩に体重を計測するようにしていました。基本的に、朝の方が体重も体脂肪も数字が高く出るため、あまり当てにせず、その日も参考にするつもりで体重計に乗ったのですが……。
ちょうどダイエット開始から150日目の朝――数字は74.4キロ。スタート時からマイナス30キロ、最「重」体重時からは合計40キロのダイエット、達成です。朝の体重・体脂肪率は変動が大きすぎ、夜に測るそれらは順調に10日間でマイナス1.25キロのペースで推移していたので、その日も夜に測って達成のつもりでした。やや拍子抜けをして、パンツ1枚の間抜けな姿でしばし、呆然としてしまいました。体重計の上に乗ったまま。
まず考えたのは「インスタに投稿しなきゃ」ということだったので、僕のダイエットにおけるインスタの効果はすごく大きいのだな、とひとりで苦笑してしまいました。なんとなく、実感がないまま、2日前の飲み会の分のジョギングの30分に出かけようとして、「あれ、もうやらなくていいのかな」と迷い、でも何かの間違いだったらイヤだから……と走りに行き、仕事をして、夜に家に帰って、もう一度、計測してみると、むしろちょっと増えて74.8キロ。いずれにせよ、達成で間違いなさそうです。
肥満は、一度落ちると這い上がれない沼
終盤、あらためて僕が感じていたのは、「肥満の沼」の怖さでした。
忙しい仕事ではあるので、タスクはテトリスみたいなパズルゲームのように降ってきます。消しては降り、消しては降ってくる仕事。それを容量の範囲内で処理しながら、ダイエットという別の「ゲーム」にも取り組まなければならない。そちらのゲームではマリオのアクションゲームのように、肥満者特有のクセや環境といった通常の敵をやっつけながら、定期的に会食や飲み会という「ボス」が登場し、進捗を阻んできます。
肥満は本当に、一度、落ちてしまうと這い上がれない沼のよう。こんなにキツいことをして、「なんでこんなにがんばってるんだっけ」という想いは、常に頭のどこかにありました。
それでも、沼の縁に手をかけることができたのは、なぜだったのか。振り返ってみたときに、ひとつ思い当たることがあります。
それは、「進むべき方向が見えていたこと」。ただ闇雲にもがくだけでは、沼の中で力尽きてしまうでしょう。どこから光が差していて、どうすれば最短距離で抜け出せるのか。それを知っていたからこそ、僕はなんとか150日間をかけて、自分の望んだ体型になることができたのでした。