「堀江貴文×ゴーン」対談が話題にならない日本
【ハリー】まあ、どんなことでもブームやトレンドになると本質からズレていきますからね。だけど、いまはYouTubeがありますから、彼女のような逸材があと何人出てくるか楽しみです。
【三宅】日本からも出てきますかね?
【ハリー】うーん。すでにいるとは思うんですが、認知されるのはまだ時間がかかりそうです。
というのも、僕が最近気になっているのは、堀江貴文さんがレバノンに行ってカルロス・ゴーンにインタビューをした衝撃的な動画が全然話題にならないことです。YouTubeのランキングに上がってこない。堀江さんも反応の薄さに「なんだこれ」とおっしゃっていましたけど、僕も本当にそう思います。
「英語を身につけた先」のイメージをもてるか
【三宅】あと日本人はどうしても和を重んじてしまうあまり、自分の意見を発信する力が弱いと感じます。ここはどうやったら鍛えられると思いますか?
【ハリー】スイッチを入れられるかどうかの問題だと思います。たとえば海外企業と日々激しい商談をしているビジネスパーソンは、自分たちの主張をアピールしないことには商売になりませんから自然とアピールのスイッチが入りますよね。ようは大事なことはオンとオフの切り分けができるようになること。
中国の方々のように、年柄年中、自分の意見を声高に主張する必要はないのです。でも「いまこそアピールしないと」「いまこそ自分の意見を表明しないと」というタイミングでは勇気を出してスイッチを入れる。そういう経験を積まないといけないでしょうね。そうやって場数を踏んでいけば、具体的な「アピールの仕方」というものも鍛えられるものですから。
【三宅】なるほど。
【ハリー】根本的なことを言えば、発信力は情熱と比例するものです。だって自分が情熱を持っていることであれば、うまく喋れないとしても一生懸命アピールしますよね。
世の中の優秀なセールスも、商品そのものや、顧客の課題解決に対する情熱が半端じゃないですよね。それに加えて商談や会食でトーク術をどんどん鍛えているから、人並み外れた発信力を持つようになるわけですね。そこまでできるならば、あとは英語に翻訳するだけの話で。
【三宅】英語うんぬんの前に、情熱を持てるかどうか。
【ハリー】そうだと思います。はっきり言えば、語学自体は実際にネイティブと毎日コミュニケーションを取り続けていれば誰でも習得できます。でも、語学は所詮手段にすぎません。大事なことはその語学を使って何を発信するか、もしくは受信するか。
そうやって視点を変えてみて、「英語を身につけた先に何があるか」というイメージができるようになると、いま必死に英語と格闘している人々も違う風景が見えてくると思います。