バイデンはトランプの中国擁護発言にチクリ
トランプ陣営の選挙キャンペーン団体であるAmerica First Action Super PACはバイデンの過去の40年間の親中的な発言を取り上げた“Forty Years."というCMを開始、バイデンの親中姿勢を徹底的に批判している。バイデンは動画の中で「中国の台頭は望ましい発展だ」と明言した過去の発言がバッチリと引用されている。
ところが、その親中姿勢で批判されているバイデン陣営もトランプの中国擁護発言をやり玉に挙げた広告を投入し始めている。動画内ではトランプが、新型コロナウイルスが蔓延している状況の中で、中国の対応を称賛するコメントや米国を蔑ろにした中国への救援物資の提供などの事実が何度も引用されている。そして、中国に対して米国の調査団派遣などの強硬な対応を主張してきたのはバイデンだ、とされている。
「自分のほうが中国に対して強硬だ」
メディアの取材に対し、バイデン陣営の上級顧問を務めるジェイク・サリバン氏は下記のように回答している。
「2つのことを行うつもりだ。それはトランプ氏の中国へのアプローチにおける壊滅的な一連の失敗の責任と、厳しい主張と弱い行動の間の巨大なギャップを説明することだ」
つまり、トランプもバイデンも相手の対中姿勢を批判し「自分のほうが中国に対して強硬だ」と主張し合う選挙戦の展開となっているのだ。この背景には米国民の中国に対する感情の著しい悪化がある。トランプ・バイデンの双方にとって中国に対する反中ナショナリズムの波にうまく乗ることは選挙戦を左右する重要な要素なのだ。したがって、トランプだけでなくバイデンも今後更に強固な反中発言を繰り返すことは容易に予想される。